公開日:2023.11.29 更新日:2024.03.01
RPAとノーコードの違いとは?導入の際のメリットや注意点など徹底解説
概要
近年、多くの企業でRPAやノーコードツールを使った業務の効率化が重要視されはじめています。
大企業だけの話ではなく、中小企業でも業務の一部を自動化することでコストを削減し、利益を産み出せる可能性もあるでしょう。
そこで今回はまだRPAを導入できていない、これから導入を考えているという企業へ向けて、RPAとノーコードの違いや導入する際のメリットや注意点、できることとできないことなど徹底的に解説をしていきますのでぜひ最後までご覧ください。
RPAとノーコードの違いは?
効率化を行う方法はさまざまですが、RPAツールやノーコードのシステムを活用して業務量の短縮をしていくことが多くなってきました。
特に近年ではRPAやノーコードという単語を耳にする機会も増えたのではないでしょうか。
RPAやノーコードは同列に語られる場合が多いのですが、本来は全く別のことを指している言葉です。
どのような違いがあるのかを理解して、業務効率化の第一歩を踏み出しましょう。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットを使って人間がしていた作業を自動化する技術です。
既に社内でさまざまなシステムを動かしていると思いますが、それらのシステムを動かすためには操作する必要があります。
RPAを導入すれば、そういった既存のシステムを含め、必要な操作を自動化できるでしょう。
基本的にはRPA内のロボットを動かし、複雑な操作にも対応して自動化することができるので、データを扱う企業であれば多くの場面で作業を効率化できるはずです。
ノーコードとは
ノーコードはプログラミングが不要でアプリや簡単なWebツールを作れるツールです。簡単な操作でアプリを構築していくことができる仕組みになっています。
専門的な知識がなくても利用できることから、採用できる範囲はとても広いです。
得意なのはシンプルなタスクの自動化で、複雑な仕組みを自動化するのは苦手としています。
簡単な操作でタスクを処理できるようにする関係上、どうしてもカスタマイズ性は低くなってしまいます。
その分、直感的に利用できるUIになっているため、導入時のハードルが低いという点は魅力的です。
ノーコードRPAとは?
ノーコードRPAは要するにコーディング不要のRPAのことです。
一般的にアプリやWeb制作といえばコーディングを行って作業を自動化していくのですが、それではエンジニアが必要となってきます。
ノーコードで直感的に作業できるようにすることで、導入のハードルを低く抑えています。
一方でノーコードの弱点であるカスタマイズ性の低さも引き継いでいるため、シンプルなタスクは簡単に自動化できるものの複雑な処理をさせるのは難しくなっています。
ノーコードのRPAを導入するメリット
業務の自動化をできるのは何となく良いことだと認識していても、ノーコードのRPAを導入する具体的なメリットについて考えたことがない人も多いのではないでしょうか。
ここではノーコードRPAを導入すると、どのようなメリットが得られるのかを解説していきます。
特に少子高齢化により人手不足が進む日本企業において業務の自動化は無視できないので、しっかりと把握しておきましょう。
プログラミングの知識が最低限で利用できる
ノーコードRPAなら直感的に簡単な操作で業務の自動化を行うことができ、コーディングの知識は不要です。
エンジニアではない社員が使うことができるので、とても導入しやすい要素になっています。
業務の効率化ができるとしても、専門的な知識が必要なものだと、導入するために余計な業務が増えてしまう可能性があります。
複雑な業務を行うためには一部プログラミング的な思考が必要になるケースもありますが、基本的には必要ないので導入時の学習コストなどもほとんどかかりません。
手作業の削減と業務効率化
実際にノーコードRPAを導入すると今まで手作業で行っていた業務を自動化できるので、業務にかかっていた時間を省いて効率化することができます。
例えば繁忙期や人手不足により手作業で行っているタスクが山積みになっていると、その処理が終わらないと次の業務まで滞ってしまうケースなどもあると思います。自動化することで人が時間を割けなくても、処理待ちで次の業務が止まってしまうということがありません。
自動でタスクが処理されることで、業務全体がスムーズに進められるようになるので、単に手作業していた時間が削減される以上の効果を期待できます。
時間の有効活用とそれによる成果の向上
今まで手作業で行っていた業務が自動化されることで、従業員に時間的な余裕が出てきます。
余裕があれば別の業務を行ったり、他の業務に時間をかけて質を上げることができます。
例えば空いた時間で新しい企画を考えることができたり、顧客への対応を丁寧にする時間が確保できて顧客満足度が上がるなど成果向上が考えられます。
空いた時間の活用方法はさまざまなので、自社にあう形を模索していきましょう。
コスト削減
ノーコードRPAを導入して業務の自動化をすることで、会社としてはコストを大きく削減することができます。
今まで手作業で行っていた業務には当然人件費がかかっている計算になるわけですが、自動化することで人件費は0にすることができます。
同じ仕事量でも雇わなければならない人数が減るわけです。
社員数が同じだったとしても、仮に今まで残業していた社員が自動化によって定時で仕事を終えることができるようになれば残業代の支払いが圧縮できます。
また、ノーコードだと自社での制作が可能なため、新たにプログラミングの知識をもった人材を必要とすることもありません。
業務の自動化でコスト削減ができる可能性は非常に高いです。
作業ミスの抑制
どうしても人的な手作業で業務を進めていると作業ミスは発生してしまいます。
非常に重要なものであればダブルチェックなどで対応することもありますが、すべての業務をダブルチェックするのは現実的ではないでしょう。
そういった作業もノーコードRPAを導入して自動化をすれば、基本的にはミスをすることはありません。
人が作業する部分を減らすことで業務全体のミスの数を減らせるでしょう。
仮に手作業で行っている場合、ミスに気付いたとしても修正するのに膨大なコストがかかることもありますし、ミスに気付けないまま大きな損失に繋がってしまうこともあるので、ミスを減らすのは重要な要素といえます。
業務見直しのきっかけになる
ノーコードRPAを導入する場合、業務のどの部分を自動化するのかを洗い出して実際に作業を置き換えて行くことになります。
業務の一部を置き換えるわけですから、業務の手順やルールそのものを見直すきっかけとしてもベストなタイミングとなります。
これまでの手順やルールがそもそも効率の悪いものだったり、実は不要な作業だったという可能性もあります。また、一部を自動化することで最適な手順が変わるという可能性もあります。
単に自動化によって手間が省けるだけでなく、業務内容自体を見直して大きく効率が上がるというケースも少なくないでしょう。
RPAでできることは?
RPAでできることを知れば、業務のどの部分を自動化することができるのか想像しやすくなり、導入コストに見合っているかの判断がしやすくなるでしょう。
基本的にはデジタルデータを扱うシンプルな業務のかなりの部分をカバーすることができます。以下詳しく解説していきます。
データ入力業務
一般的なデータ入力業務をRPAの導入で自動化することができます。
多くの場合だとデータ入力するフォーマットは既に決まっているので、入力するデータさえ揃っていれば作業自体は単純です。
基本的にはパソコン一台で完結する業務なので、ノーコードRPAで置き換えることができるでしょう。
また、ミスなく素早く入力できるので、従来よりも圧倒的に大量のデータを扱えるようになります。
データ集計業務
データ集計業務もノーコードRPAで簡単に自動化することが可能です。
手作業で集計を行っている場合でもExcelなどを利用していると思いますが、既存の枠組みの中でもRPAを導入して自動化することができます。
単に集計作業にかかる時間を短縮できるほか、社員が退社した後に集計業務を自動でおこなうようなタイマー設定も可能になります。
自動化していれば時間外に人員を確保せずに動かすことができるので、非常に効率的に業務を進めることができるでしょう。
データの収集・反映業務
RPAを導入すればデータの収集や収集したデータをシステムに反映させることも行えます。
例えば営業先のリストを作りたい場合、インターネット上の情報を自動で収集してリスト化することができます。
仕入れた商品の在庫管理などもWEBのシステムから情報を集め、型番や価格をリスト化して管理することも可能です。
これらの作業は手作業で行うと膨大な量になるため、頻繁にデータを更新するのは難しいのですが、自動化すれば更新頻度を高めてリアルタイムに管理することができるようになるでしょう。
複数のシステムやアプリにまたがった業務
RPAでの自動化は複数のシステムやアプリにまたがった業務も任せることが可能です。
例えば発注作業を行う場合、発注を出すシステムへの入力と予算を管理するシステムの2つに同じ内容を入力する必要がある場合など、それぞれ別のシステムで動いているとしてもRPAの自動化によって対応することが可能です。
社内の業務すべてが1つのシステムで動いていることは少ないので、複数のシステムを横断して自動化できることは非常に大きなメリットになるでしょう。
メール送受信
RPAの自動化によってメールの送受信も対応が可能です。
もちろんすべてのメールが自動化できるわけではありませんが、例えば定型文に一部その日のデータを加えて送信する日報のようなものは自動化することができます。
同様にリマインドメールの送信なども自動化してしまった方が楽でしょう。
送信だけでなく受信したメールからデータを取り出して社内システムへ入力するといった自動化もすることができます。
送受信共に扱う数が増えると非常に負担が大きい業務なので、こちらも自動化の恩恵が非常に大きいです。
RPAでできないことは?
ノーコードRPAを導入すれば簡単な操作で多くの業務を自動化することができますが、もちろん自動化ができないことや難しいものも存在しています。
どのような業務を自動化することが難しいのかを把握しておかなければ、導入しても思ったように効果が出ないという可能性もあります。
以下で詳しく解説しますので、認識をしておくことが大切です。
自ら考えて判断すること
RPAはシンプルな作業を自動化することはできますが、自ら考えて判断することはできません。
人間の頭の中に存在している情報をもとに条件によって作業内容を分岐させるような作業ができないということです。
もちろん事前にすべての条件を実装していれば動かす作業そのものは可能ですが、条件が増えれば増えるほど実装が複雑になり、導入コストが重くなってしまうので現実的ではありません。
このような各個人の経験や勘に基づいて処理が異なるような業務は人が担当した方が良いでしょう。
ルールの変更や複雑な作業
RPAは複雑な作業を行うのが難しく、ルールの変更も苦手としています。
例えば情報を分析してその結果から処理する方法を決定するような場合、かなり複雑な業務なので人が介在した方が良いでしょう。
また、ルールそのものが変更となる場合、RPAも新しいルール用に実装し直す必要が出てきます。
もちろん適宜メンテナンスで対応することは可能なので変更の必要がある場合はすぐに対処していくことも重要といえるでしょう。
手書き文字や画像の解析
RPAは手書き文字を読み取るといったアナログな作業は苦手としています。
画像解析なども同様で、これらの作業はRPAのみで行うべき業務ではありません。
あくまでもRPAはデジタル上のデータを扱うことに特化していますが、手書き文字や画像の解析といった分野はAI‐OCRとRPAを組み合わせて導入することで対応できます。
ノーコード型RPAを導入する際の注意点
ノーコード型のRPAを導入すれば簡単に既存業務の効率化が可能ですが、ただ導入だけすればいいというものではありません。
導入コストは比較的安いものの、より効果的に活用するためには注意しなければならないポイントがいくつかあります。
ここからは導入前に考えておくべき注意点を紹介していきます。
期待する効果や目標が不明瞭なまま導入しない
「RPAを導入すれば、業務が効率化できる」という漠然としたイメージで導入してしまうと、結局使わずに終わってしまったということにもなりかねません。実際に業務のどの部分を自動化して会社全体としてどの程度のコスト削減ができるかを把握しておくことも大切です。。
導入コストに対して効果が薄いのであれば導入するメリットは少なくなってしまうので、ノーコードRPAの導入によって効果がどの程度でるのか予測しておく必要があります。
例えば導入してコストカットをしたいのであれば、どの程度のコストカットを行うか目標を定めておくことで導入後の効果をより把握しやすくなります。
最適なツール選定をする
現在RPAではさまざまなサービスがリリースされています。
会社が違えばUIや機能も違うため、使いやすさにも影響してきます。
ローカルで動作するものやクラウドで動作するものなど、仕組みそのものが違うRPAもあるので業務内容や会社規模、使っているシステムやネットワーク環境などによっても最適なRPAは異なってきます。
業務内容や会社の状況を踏まえて、自社にとってより扱いやすく効果の大きいRPAを導入することが重要です。
業務の整理や業務ルールを見直す
RPAの中でも特にノーコード型はシンプルな業務を自動化するのが得意です。
逆に複雑な手順が必要な業務は自動化するのに苦労しますが、できる限り多くの業務を自動化したいものです。
そこで業務そのものを一度整理して、ルールを見直すことでシンプルな手順に変更するというのも一つの方法です。
もちろんシンプルな方法に置き換えできない業務もありますが、業務を整理することでRPAによる自動化ができる範囲が増えることもあるでしょう。
管理担当者を決め、社員全体に共有する
ノーコードRPAは比較的導入が簡単で、そのUIの分かりやすさから誰でも扱いやすいという特徴があります。
しかし、管理担当者を決めずに導入してしまうとどうしても管理が疎かになってしまうものです。
導入時には誰が管理をするのか決めておく必要があります。
管理がしっかり行えていない状態だと、セキュリティ面の不安などが考えられますし、何かトラブルがあった際の対応も遅れてしまいます。
誰が管理するのかを決めて、社員でRPAに関しての知識を共有しておくことが大切です。
誤作動やシステム障害の対策をする
RPAによって業務を自動化することはできますが、誤動作を起こす可能性はあります。
例えば画像認識がうまくできなかったり、WEBサイトの表示が遅れているにも関わらず表示された前提で続きの動作を行ってしまうといった場合が考えられます。
こういった誤動作は画像認識せずに済むような仕組みに変更したり、WEBサイトが表示されたことを読み込んだページの情報から確認するステップを踏むなどの方法で対策していくことが可能です。
想定外の状況になってしまい例外処理がうまくできない場合などもあるので、想定外の状態になった場合にどうするかも実装できていると良いでしょう。
運用ルールを決める
RPAを導入する際には運用ルールをしっかり決めておく必要があります。
ノーコードRPAの導入が簡単だからといって運用ルールを決めずにどんどん導入してしまうと、それぞれ業務内容が重複していたり、動作して欲しくないタイミングで動作してしまうといったトラブルが発生してしまいます。
ノーコードだと現場が使いやすいという反面、自由すぎてブラックボックスとなってしまう可能性もあることを理解しておきましょう。
またルールを決めずに導入していると、RPAがどのような動作をしているのか誰も把握できていないような状況になりかねません。
業務の一部を自動化する時には、しっかり管理することもセットでなければ大きな損失に繋がる可能性があるので注意しましょう。
RPAやノーコード導入の際はアシロボへ
アシロボでは中小企業向けのRPAとして実績があり、学習も数時間程度で終えることができます。月額の料金も5万円と非常に安価に抑えることができるでしょう。
ツールによって導入するまでの学習コストも違えば金銭的なコストにも差があります。
なるべく導入コストは抑えつつも、使いやすくしっかり業務を効率化できるものを選ぶ必要があるでしょう。
アシロボでは、自社の効率化に合わせたノーコードのRPAツールを提供することが可能です。
アシロボは、さまざまな企業や自治体で採用された実績を誇っており、初めてRPAを導入するという企業に向けた無料のサポートや講座などを豊富に取り揃えています。
より確実で失敗のないRPA化を実現したいという場合は、ぜひアシロボの活用をご検討ください。
まとめ
ノーコードRPAは業務の自動化を進める方法として非常に優秀ですが、できることとできないことがはっきりしているツールでもあります。
現在の業務内容のどの部分に使えるか、メリットとデメリットはどんなものがあるか、これらを把握してから導入することをおすすめします。
アシロボでは自社に最適な形でのRPAツールのご提案が可能です。ぜひ一度ご相談お待ちしております。